皆さんこんにちは!
新菱工機の更新担当の中西です。
さて今回は
~確認事項~
ということで、エレベーター据付工事における事前確認事項のポイントを、実務の流れに沿って深く解説します
目次
「動いて当たり前」を実現するために、見えない準備がカギ
エレベーターは、高層化が進む現代建築に欠かせない縦の移動インフラです。
中でも据付工事は、高所作業・重量機器・電気制御が複雑に絡む高度な専門工事であり、
施工後のトラブルや手戻りを防ぐためにも、事前確認が極めて重要となります。
✅ エレベーター据付工事とは?
エレベーター据付工事とは、建築物に新たにエレベーターを設置する工事であり、
次のような工程を含みます
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鉄骨レールの取り付け
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吊りワイヤ・カウンターウェイトの設置
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制御盤・ドア・呼びボタンの取り付け
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動作確認・安全試験・法令に基づく検査
これらは建築・電気・機械の要素が密接に絡むため、関係業種との連携と準備が不可欠です。
✅ 事前確認①:建築工事との整合性チェック
🔹 建築側の工事進捗・受け入れ体制
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昇降路(シャフト)内の清掃状態・養生
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電源(仮設/本設)の通電状況
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ピット(最下部)・マシンルーム(機械室)の仕上がり確認
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建物の水平・垂直精度(レベル出しの基準)
👉Point: 建築側で未完了の部分があると、据付作業が遅延・中断する可能性があります。
✅ 事前確認②:図面と設計仕様の最終確認
🔹 設計図と実際の構造との照合
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図面に基づいた昇降路寸法・開口部の確認
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機種・積載荷重・停止階数・操作パネルの仕様が合っているか
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納品機器と現場寸法の“実測比較”(干渉・寸法誤差の事前発見)
🔹 特殊仕様の有無
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車いす対応・防災対応(耐震・火災時管制)などの確認
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デザイン仕上げ材(ステンレス/化粧シート等)との整合性
✅ 事前確認③:安全対策と作業環境の整備
🔹 作業者の安全確保
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昇降路内の墜落防止設備(手すり・ロープ等)の設置確認
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安全帯・ヘルメット・無線等の支給状況
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養生・立入制限の表示(第三者の転落・接触を防止)
🔹 重量機器の搬入ルート
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ウインチ・チェーンブロックの設置計画
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重量物(巻上機・カウンターウェイト等)の搬入方法と安全確認
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通路・仮設床の耐荷重チェック
✅ 事前確認④:電気工事との連携確認
🔹 通電・制御関連
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電源容量・分岐盤の位置確認
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アース接続位置・制御盤スペースの確保
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消防設備・インターホンとの連動配線の有無確認
🔹 本設電源の引き込みタイミング
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通電の予定日が据付工事と整合しているか
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試運転や動作確認の前に仮設で済むかどうかの判断
✅ 事前確認⑤:関係者との工程・情報共有
🔹 工程表のすり合わせ
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建築/設備/内装との干渉防止と作業分担の調整
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段階的な資材搬入スケジュールの確認
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雨天・突発対応の想定含めた柔軟な工程設定
🔹 通信・共用設備との関係整理
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呼び出しボタン・カメラ・インターホンとの連携確認
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非常時通報システムの受信先(管理人室・警備会社等)の確認
✅ エレベーター据付は「事前確認8割、施工2割」
エレベーターは、建物完成後に長期間使い続けられる重要な設備です。
そのため、「とりあえず設置する」では済まされません。
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安全性
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設備機能の正確な実装
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他工種との整合性
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法令・検査対応の万全化
これらはすべて、施工前の段階で“確認し尽くしておく”ことが必要条件です。
エレベーターが「当たり前に動く」建物は、
現場の見えない準備とプロの連携によって支えられているのです。
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